ウェブ進化論
本当の大変化はこれから始まる
梅田 望夫 (著)
この本では3つのキーワードを基に、現在のWebビジネスについて、過去現在や日米の違いを具体的な企業名を用いて分かり易く解説している。
Googleを幹にして、Yahoo!、Microsoftを比較して、Intenetの始まりから今までに何が起こったのか。
Googleを幹にして、ライブドア、楽天を比較して、アメリカの考えと日本の考えは何が違うのか。
が的確に書かれており、その意味では進化論である。また、この本は「ウェブ進化論」と言う題名だが、Webのみならず、IT技術全体の進化におけるビジネスシーンについて書かれた本である。そのため、技術(ここで言う技術とはRFCとかを指す)に関してはほとんどかかれていない。ベースとなる技術は既にあるものとして、どのようなビジネスをどのような手法を展開するのかに着目をおいたものである。
その上で、「ウェブ(=日本以外の考え方)は急速に進化しているのだから私たちの考え方も進化させないと、いずれ食われちゃうよ」という警告が書かれているように見える。
この本はかなり納得するものが書かれている。そのため、多くの人はこの本に賛同し、全て考えを取り入れようと考えるかもしれない。しかし、そこは、この本に書かれている「情報の淘汰」が必要だと思う。
どの部分を取り入れ、どの部分を捨てるのか
を考えずに、上(メディア)から全てを受け入れるのは、それこそ日本的(古い)考えなのである。
さて、この本を読んでいる時にいくつか気づいたことがある。
そのうち大きなものは、極力アルファベットを排除していることと、図がほとんど無いことである。
アルファベットはこちらが感心するほど排除されているが、これは多くの人に読んでもらいたい著者の配慮なのだろう。
図については実は1つだけあるのだが、それを見る時、読者が頭の中で同じものを思い描いていたかどうかを試すものなのだろう。
これも、日本的考えをしていると思いつかない部分である。そう考えると、多くの?が多くの!になってしまう。面白い。
最初にも書いたが、この本で言いたいのは、「周りは急速に進化しているのだから私たちの考え方も進化させないと、いずれ食われちゃうよ」という警告だろう。正直なところ、GoogleとかYahooとか楽天とかの企業名なんてどうでも良い。そのため、読むだけではあまり意味が無く、
納得した考え方を取り入れ
本に書かれていない次の一手を見つける
ための起爆剤になることで、この本は初めて意味を成すように思う。
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